みなさんこんにちは。現役大学生、ひよっこ将軍です。
46巻から60巻まで続いた鄴(ぎょう)攻略戦。結果として秦国は、趙国防の要、鄴を奪い取ることに成功しました。秦は勢いそのままに趙の都、邯鄲(かんたん)を攻めたいところでしたが、魏や楚といった大国に攻められないようにしつつ、趙に大軍を送ることは不可能に近いことでした。そのため、軍総司令官、昌平君(しょうへいくん)は趙を攻めやすくするため、魏と3年同盟を組むことを考えます。ただ、魏も見返り無しに簡単に同盟など組んではくれません。そこで、昌平君は、3年同盟の対価として、楚の城でかつ、中華の中でも指折りの最重要地である什虎城を秦軍、魏軍で共闘して攻め落とし、そのまま魏に渡すという提案をしたのです。ただ、やはり中華の中でも指折りの最重要地であるだけに、什虎軍も曲者(くせもの)揃いです。今回はそんな什虎軍の軍容を解説します。この什虎攻めが今後のキングダムにおいて持つ意味も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください!(2024年8月15日)
什虎の4人
什虎軍は4人の将軍と軍師が主な戦力を成します。その4人とは、城主満羽(まんう)、将軍千斗雲(せんとうん)、将軍玄右(げんう)、軍師寿胡王(じゅこおう)です。そもそも、什虎軍は戦が強すぎるために、楚、秦、魏、韓の国境付近にある重要な土地であるにも関わらず、何年もどの国からも攻められておらず、「不敗の什虎」と呼ばれています。そのため、暇な日々を送っているのでしょう。秦国将軍「蒙武(もうぶ)」が3万の軍を率いて什虎を攻めてきたという伝令を受けたときには、満羽、千斗雲、玄右、寿胡王の4人で麻雀のようなものをして遊んでいました。ちなみに変態の満羽と千斗雲は伝令を受けたとき裸で喜び、玄右から「なぜ全裸だ」とつっこまれ、二人でそろって「くつははいてる」と反論しています。
ただ、什虎軍はただ頭がおかしいだけではありません。それは4人が戦った相手を見ればわかります。
什虎攻めにおいて城主満羽は秦六代将軍蒙武と対峙します。蒙武は、合従軍との戦いにおいて、楚軍総大将、汗明(かんめい)を討ち取ったほどの武力の持ち主で、中華において武力だけでは最強ともいえます。その蒙武との一騎打ちにおいて、最初の一振りで地に叩き落されたのです。ちなみに、汗明との戦いでも蒙武は落馬していません。これだけで満羽の強さがわかります。ただ、最終的には満羽は蒙武に叩き落され、什虎攻めが秦・魏軍の勝利に終わるのに伴い、この一騎打ちも決着のつかぬまま、終了しています。
次に満羽に次いで高い武力をもつ千斗雲を紹介します。千斗雲は、あの王騎残党軍の将軍、録鳴未(ろくおみ)と対峙した際、「ん?……いや強いよ お前 そこそこ強い…いーね 楚じゃ千人将くらい ウケケ」と発言し、全く打ち取られる気配を見せません。そんな中で元魏火龍七師で、魏軍第一将呉鳳明(ごほうめい)の師であった霊鳳(れいおう)をあるじとしていた狂戦士・乱美迫(らんびはく)にも攻撃されます。つまり、1対2という圧倒的不利な状況に陥るわけですが、結局最後までこのキングダムの中でも相当武力の高い2人に打ち取られることはありませんでした。
次に玄右を紹介します。玄右は満羽、千斗雲が裸でいることにつっこむように、戦の中でも冷静沈着です。その証拠に魏軍大将、呉鳳明が3軍で攻めどの軍が主攻か敵にわからせないという策をとり、什虎軍が対応しなければならない場面でも、軍師の寿胡王ではなく玄右が全体に指示をおくり対応しています。また、呉鳳明の側近であり、魏軍将軍の馬介(ばかい)を簡単に討ち取るという武力の高さを見せています。満羽、千斗雲ほどは武力は高くないと思われるものの、玄右のような冷静沈着な武将は欠かせないのでしょう。
最後に軍師、寿胡王を紹介します。寿胡王は什虎攻めにおいて大きな活躍は見せませんが、その強さの片りんは見せています。魏軍大将、呉鳳明が3軍で攻めどの軍が主攻か敵にわからせないという策をとり、什虎軍が対応しなければならない場面では、呉鳳明の策に感心しながらも、動じることなく、「玄右に任せろ」とだけ発言し、その強者感を漂わせています。ただ、最終的には秦将騰(とう)にとらえられ、捕虜として捕まえられています。首もはねられていないので、今後の展開に影響があるかもしれませんね。
什虎軍の背景
そもそも、什虎の4人はそれぞれもともと楚人ではなく、別々の小国の将軍や軍師として、楚から国を守るために活躍していました。特に満羽と千斗雲はそれぞれ小国「汨(べき)」、「暦(れき)」の将軍として、楚軍に何度も攻められながらも、楚軍に勝ち続け、なんとか楚に降伏しないようにしていました。満羽が降伏したがらなかった理由としては、ほかの小国が楚に降伏すると、国民の多くが楚の奴隷となってしまうという実例があり、国民を愛していた満羽はそれを防ぎたかったのです。しかし楚軍への抵抗に限界を感じた汨国王は満羽に内緒で楚に降伏してしまいます。それでも楚と戦い続けた満羽でしたが、最終的にもともと汨人で、楚軍に取り込まれていた若者を、汨人だと気づかずに殺してしまうことで、満羽は虚無を悟ってしまいます。満羽だけでなく、他の3人も自分の国を失ったことで虚無を悟りました。そうした中で楚に取り込まれた4人とその配下の兵士は什虎で何の目的もなく、ただ什虎を奪いに来る敵を長年向かい討っていたのです。
蒙武の未来
什虎攻めにおいて、汨国という守るべきものを失い、虚無を悟った満羽は、蒙武に対して特別な感情を抱いていることがわかります。それは、昌平君という幼いころから一緒に育った大事な存在を抱える蒙武が、満羽にとって国を失う前の満羽自身と重なるものがあったからです。そして、満羽と蒙武の会話の中で、満羽は蒙武に対して「生きている者の何かを背負っているとしたら お前は一つだけ覚悟をしておかなければならぬ それに裏切られることがあるやも知れぬということを」と忠告しています。史実では昌平君は秦の人質として楚から送り込まれた公子であり、楚にもどり秦将、王翦に殺されてしまいます。もしかしたら、今後蒙武と昌平君の間に、絶対の信頼関係が揺らぐ悲劇が起こってしまうのかもしれません。そうした中で、満羽を含めた什虎軍が何らかの答えを導いてくれるのではないかと推測できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。什虎軍については、まだすべてについて分かりきっていない感があり、今後楚と秦の戦いにおいて再登場するのが必至であると考えられます。そうした中で、蒙武を含め、侵略をする側の秦に何らかの困難を与える、何かを考えさせる出来事が今後描かれるのではないでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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