こんにちは。現役大学生、ひよっこ将軍です。
キングダムで主人公の李信擁する秦国が目指す中華統一の最大の障壁といわれる李牧擁する趙国。そんな趙国には、李牧だけでなく、龐煖(ほうけん)、紀彗(きすい)、慶舎(けいしゃ)など様々な武将が登場してきました。そして趙攻略戦の中で65巻から司馬尚率いる青歌軍が登場します。46巻にて青歌軍は、秦国が趙の西側から攻める中で、逆に東側から攻め入ろうと謀った、函谷関の戦いで燕軍総大将を務めたオルドをわずか5000の軍で退けるという大業を成し遂げています。
今回はそんな青歌軍の軍容を解説していきます。72巻まででは、青歌軍は、桓騎が討たれた宜安(ぎあん)の戦い王翦が秦軍を率い敗れた番吾(ばんご)の戦いにて、圧倒的な強さを見せつけました。
詳しくそれぞれのシーンの対応する話数も書いていますので、漫画をすべては読み返す時間がない方、最近キングダムを読み始めて詳しく知りたい方、青歌軍の細かい知識を知りたい方、必見です!(2024年6月19日)
第1将 カン・サロ
カン・サロは青歌軍第1将で、第2将楽彰に「彼こそ我ら司馬尚側近衆の筆頭 つまりは 主司馬尚を除けば 青歌最強の武将だ」と評価を受けています。
宜安の戦いでは、秦の都市、太原(たいげん)から趙の都市、閼与(あつよ)を目指し桓騎率いる本軍に合流するため移動していた秦北東部連合軍20万の軍を、趙の狼孟(ろうもう)軍が迎え撃ちます。これにより、結果的に秦北東部軍は当初の予定の半分以下、5万で桓騎率いる本軍と合流することになり、最終的に秦六大将軍・桓騎が討たれる原因の一つとなります。狼孟はもともと強い軍ではなかったのですが、狼孟をカン・サロと、同じく青歌将軍ジ・アガが率いることで見事この「秦北東部軍を狼孟で減らすという李牧の策略」を成功させるのです。
そしてカン・サロの本当の強さが発揮されたのは番吾の戦いです。正直、秦北東部連合軍は20万とはいえ、戦争の前に急遽徴兵された寄せ集めであり、これを潰すことはさほど難しくなかったことと思われます。しかし、カン・サロは秦の主力軍である王翦軍と対峙した番吾の戦いでもしっかり活躍するのです。王翦軍の中で最強と言われる亜光軍を相手にして「何だこの男…これ程の武… こ こいつがたしか青歌の第1将」といわせるほどです。
また、王翦軍第3将であり知将、田里弥の「武」を担っていた三傑、蛇輪公(だりんこう)、申赫楽(しんかくがく)、不死身の山秀(さんしゅう)のうち、申赫楽(しんかくがく)、不死身の山秀(さんしゅう)を討ち取ります。ちなみに余談ですが、65巻703話の邯鄲の手前、武城を田里弥軍が攻めた際、この不死身の山秀は、敵に討たれやすい場所へわざと行き、何度も剣で刺されながらも、「効かぬわー 俺は田里弥軍千人将 山秀 この鋼の肉体と精神で」と言いながら「ドス」と刺され、「ウウ」と言い、「フオオ」と叫ぶという奇行をしています。これに対し王翦軍第4将倉央は、「ッハハ 山秀だ 俺あいつ好きなんだよなあ 堅物ぞろいの田里弥軍の中で唯一笑える男」と評価されています。そんな山秀が討ち取られてしまい、少し悲しく感じた人も多いのではないでしょうか。
第2将 楽彰(がくしょう)
楽彰は、城主司馬尚や第1将カン・サロが参戦しなかった宜安の戦いでは、青歌軍の主攻を担いました。宜安の戦いは、李牧の趙北部での策略に桓騎率いる秦軍がはめられてしまったことで、趙軍31万対秦軍14万という圧倒的不利な状況で開戦しまいます。そのため、圧倒的な数の差で周りを囲まれてしまった秦軍は、まずは包囲を脱出することを試みます。そこで飛信隊と蒙恬率いる楽華軍は、両軍で一つの大錐型(だいすいけい)の陣を組み、楽彰軍と上和龍(じょうかりゅう)軍からなる青歌軍を突き抜けようとします。この陣形に対し、楽彰の対応が注目されたところですが、楽彰は、これに対し、同じ大錐型の陣を組むという、秦軍にとって最も屈辱的な方法で対応したのです。李牧は、「…… そんな止め方を試みるとは 思っていた以上に苛烈なのですね 青歌の第二将楽彰—–」と、そのきれいな顔にそぐわない苛烈さを評価しています。
第二将とだけあってやはり武力、知能ともに高いです。宜安の戦いでは楽華軍蒙恬に、番吾の戦いでは、王翦軍第一将亜光に深手を負わせています。また、カン・サロが亜光軍との戦いに加勢しやすくするため、楽彰自身の軍を移動させた際、カン・サロの部下には「入り口を作ってくれた さすが気配り将軍」との評価をうけています。一方、亜光との一騎打ちでは、深手を負わせた後、左目を切られ、窮地に陥っていた王翦将軍の救出に向かわせてしまったため、亜光以上の武力があるとは言い難いのかもしれません。
ジ・アガ
次にジ・アガについて解説していきます。ジ・アガは宜安の戦いでは、カン・サロ同様狼孟軍を率いることを任されます。この戦いでは副将でしたが、大将のカン・サロの指示を待たずに戦いを始めています。それでも、「まァいい 奴にしては待った方だ」とカン・サロに言われています。気が短いというか、戦いがめちゃくちゃ好きなんでしょう(笑)それもそのはず、楽彰には「青歌一の剛将」と評価されていて、朱海平原の戦いの前に、青歌軍が燕のオルド軍を返り討ちにしたときには、一人で燕兵を100人以上殺ったらしいです。
ところで、狼孟軍を一緒に率いたカン・サロもジ・アガも、名前が似ていますよね。それもそのはず、二人は幼いころからの戦場で出会った親友なのです。もともと二人は強すぎた故か、友達を作らず一人で戦場の手柄を上げていました。しかしお互いに強さを認めあう二人は次第に意気投合し、狼の生き血で、杯(さかずき)をを交わします。これをすることで、決して断てぬ絆で結ばれ互いに力が宿りあうのです。そうして二人は一心同体で戦場で戦い、司馬尚に仕えた以降も、二人で青歌の将軍として活躍します。それでも、ジ・アガは「死ぬときに一番うれしかったことは何かと問われたら この契りをお前が受けてくれたことだと言うだろう」と言っています。それだけ二人は厚い絆で結ばれていたんですねえ。何かに対して頑張るときは、好きな人や愛する人のためというのは多かれ少なかれどんな人にもあるのではないかと思います。それを感じた場面でした。
それでも、番吾の戦いでジ・アガは王翦軍の倉央軍の副長、糸凌にカン・サロの目の前で殺されてしまいます。お互いに致命傷を与えますが…
友の死を目の前で見るというのは何とも苦しいものなのでしょう。しかし、カン・サロはその時の第一の優先事項であった城主司馬尚を助けに行くということをすぐに行おうとします。やはり杯を交わしただけあって、ジ・アガの死を無駄にはできなかったのかもしれませんね。
上和龍(じょうかりゅう)
最後に、上和龍について解説します。ジ・アガ同様武力が高く、元麃公兵で黒飛麃の千人将であった飛信隊の岳雷(がくらい)も上和龍将軍に討たれています。また、幼いながらも腕は確かである仁(じん)、淡(たん)の弓矢兄弟の援護をもらった李信も一発では打ち損ねて、信の王騎将軍の矛の一撃を耐えしのいでいます。
上和龍は、タイプ的にはジ・アガと同じように荒い性格の持ち主で、結構敵に対しては容赦なく煽りを浴びせます。そのせいか、部下までその毛色が強く、副将の名前が豪座公(ごうざこう)というとても偉そうな名前になっています。
また、開戦前に楽彰がジ・アガを「青歌一の剛将」と評価したとき、それに腹が立ったのか、「ジ・アガは大猿が人とまぐわってできた男だ」というウソを言い、「青歌一の剛将は私である」と訂正しています。似た者同士、ジ・アガにライバル意識を相当持っているのかもしれませんね。
そんな高い武力と高いプライドを持つ上和龍ですが、最終的には、殺したと思った桓騎軍の怪物、ゼノウに最後の力を振り絞って殺されています。死に方については、顔を手でつぶされるという珍しいパターンでした。この殺し方は、野盗出身の桓騎軍、ゼノウらしいなあと思いました。
話はそれますが、ゼノウの最後の発言、「カンギ… お前と出会ってからずっと 楽しがった ぞ」はいかに桓騎が部下から信頼されていたのかがわかりますね。仲間でも容赦なく殺すこともあるゼノウにも感謝される桓騎将軍、やはりかっこいいなあと思いました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。意外と最近出てきた青歌軍ですが、それぞれの将軍が個性あって面白いですよね。今後も李牧とともに趙の要となって活躍することが予想されます。今後も青歌軍から目が離せませんね!宜安の戦いや番吾の戦いに登場した桓騎軍や王翦軍については別の記事でまとめているので是非ご覧になってください!最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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